【レビュー】星5つ!ワイルダーの「情婦」は最高のミステリ映画!(ネタバレ)
アガサ・クリスティ原作、
ビリー・ワイルダー監督による名作「情婦」。
これがすごい作品だった!
こんなにすごいストーリーの映画は
めったにありませんよ。
星5つに値する作品です。マジおすすめ!
ミステリの女王アガサ・クリスティ原作
いらっしゃいませ、ミステリ作家ってすごいなと思う、番台さんです。
日本のミステリ作家では、綾辻行人さんが好きです。ベタですかね?
巨匠ビリー・ワイルダー監督の作品「情婦」。
原題は「Witness for the Prosecution(検察側の証人)」というタイトルです。
なんで、こんな邦題にしたんだろうと思うほど、
原題の方がストーリーにあっています。
「情婦」というタイトルを見てスルーしてしまう人もいるのではないかと思うほど、
タイトルで損してる作品です。
しかし、作品はとてもすばらしい!絶対見るべき映画です。
ビリー・ワイルダー監督の作品を見るのはこれで3本目。
「お熱いのがお好き」「アパートの鍵貸します」も素晴らしい作品だったのですが、
それ以上に素晴らしい作品です。
評価(★5つで満点)
★★★★★
ネ
タ
バ
レ
で
す
よ
ストーリー概要
舞台はロンドン。
チャールズ・ロートン演じる、弁護士ウィルフリッド。
彼の元へ、知り合いの弁護士を伴い、
タイロン・パワー演じる、未亡人殺しの容疑をかけられた男、レナード・ボールが訪れる。
自分のアリバイは、妻が証明してくれると言う。
法廷では妻の証言は取り上げて貰えないが、
ボールから受ける誠実な印象を見て、
ウィルフリッドは彼の無罪を信じ、弁護を引き受ける。
しかし、殺された未亡人の莫大な遺産がボールに引き継がれるなど、
彼の殺人動機となる不利な証拠ばかりがあり、逮捕されてしまう。
その後、
マレーネ・ディートリッヒ演じる、ボールの妻クリスチーネが
弁護士事務所を訪れる。
彼女は、ボール本人とは違い、
どこか秘密めいて、嘘をついているような雰囲気。
そして、何かを企んでいるような。。。
なにか釈然としないまま裁判が始まる。
検察側と弁護側、一進一退の攻防が繰り広げられる中、
無実を証明できるはずの妻が、検察側の証人として登場する。
そして、未亡人を殺したのは夫のボールであると証言するのであった。
どういうことだ?
はたして、ボールは無罪なのか有罪なのか?
といったストーリーです。
すばらし過ぎるストーリー!すごい!
とにかく、ストーリーが素晴らしい。
ビリー・ワイルダー監督の手腕もさることながら、
ストーリーの出来の良さが光っている映画です。
タイトルの「情婦」というイメージから、
もっと安っぽい映画なのかと思ったら、いやいやこれが素晴らしい、
映画史に残る名画と言っても良いでしょう。
まさに「検察側の証人」というタイトルがピッタリの映画です。
とくに最後の10数分は見逃せない展開。
これほど、最後のシーンにすべてが集約する映画は無いと思います。
この映画のエンドクレジットで、
「映画の結末を人に話さないでください」というナレーションも入っています。
それくらい、最後まで目が離せない映画です。
法廷映画ということで、重苦しい映画になりがちですが、
弁護士ウィルフリッドと看護婦プリムソルのユーモラスな掛け合いが
映画に明るさをもたらし、息抜きを提供しています。
この二人は、実生活では夫婦だそうです。息のあった演技を見せてくれます。
二人のかけあいは、原作にはないそうですね。
イギリスの裁判って、上にある画像のように、カツラをかぶるのか(笑)。
なぜ、カツラをかぶるんでしょう。
今では、廃止の方向になっているようですが、つい最近まではかぶっていたらしい。
へ〜。
注目ポイントはここ
マレーネ・ディートリッヒの存在感がすごい。
常に、能面のような無表情を貫きます。
氷のような冷たい女。そんな印象を観客に与え続けるのですが、
裁判で弁護側に発言を覆されるシーンで、感情が爆発!
このシーンはすごい!
それまでのクールさとは打って変わって、
汚い言葉で弁護士をののしる。この豹変ぶりに驚きます。
感情を爆発させて崩れ落ちるディートリッヒ。
それまでクールを貫いてきたからこそ、ここでの爆発がより効果的になっています。
このシーンは注目に値します。
結論
誰もが認める傑作です。
映画好きなら一度は見ておいて損はないでしょう。
弁護側が、ディートリッヒを追い詰めるシーンでのトラップもすばらしい。
このシーンも原作にないとのこと。
一度原作を読んでみたいと思います。
どんな人にも自信を持ってオススメできる映画です。
初めての星5つ!!!
評価(★5つで満点)
★★★★★