【レビュー】三谷作品「ラヂオの時間」は舞台出身者らしい映画だった(ネタバレ)

「ステキな金縛り」のレンタルが開始されました。

三谷幸喜作品について、
復習をかねて鑑賞してみました。

まずは「ラヂオの時間」です。

「ラヂオの時間」は三谷幸喜の映画初監督作品

ラヂオの時間

いらっしゃいませ、
三谷幸喜と清水ミチコのラジオを毎日聴いている、番台さんです(笑)。

「ラヂオの時間」は三谷監督の映画初作品。
もとは、彼の劇団、東京サンシャインボーイズの舞台作品だそうです。

脚本も三谷幸喜が務めています。

評価(★5つで満点)
★★★(ほぼ3.5くらい)

ストーリー概要

とあるラジオドラマ収録スタジオ。

鈴木京香演じる普通の主婦は、
シナリオコンクールに応募した作品が優勝し、
作品がドラマ化されることに。

生放送でのラジオドラマ開始数時間前、

ベテラン女優による、
「役名が嫌」というワガママを発端に、
その後のシナリオが大きく変わっていってしまいます。

生放送が始まってからもドンドンとシナリオや設定が変更に。

だんだん自分の作品じゃなくなってしまう主婦の憤りや、
役者のわがままに翻弄される局のスタッフを描いた
ドタバタ喜劇映画です。

笑う部分は意外と少ない

結論から言えば、それほど大笑いは出来ません。
ですので、オススメ度は、星5つが満点なら、3.5くらい。

もっと大笑いする映画なのかなと思っていましたが、
そうでもなかった。

そんな中で、一番笑ったのは、
近藤芳正演じる夫が
布施明演じる編成部長に向かって
「車のセールスマンです」と意味ありげにいうところ。

ここくらい。

大笑いしようと思うと失敗する映画です。

ストーリーは、笑いよりも青臭いセンチメンタルな感じが強く、
ちょっと期待はずれでした。

このセンチメンタルな感じは、三谷作品によく見られます。
映画に夢を持ってる、あるいは、
映画に強い思い入れがあるタイプの人が書きそうな脚本です。

個人的には、もっとドタバタして、
スピーディーに展開していくのを期待していました。

「生放送」という設定なので、
リアルタイムか、もしくはそれに近いタイム感で
ストーリーも進行して欲しかった。

やけにダレるところもあり、スピード感はあまりありません。

スピード感がないため、ドタバタといった焦る感じもなく、
見ている方も気がゆるんでしまいます。

例えば、劇中で、シナリオを変更するために、
「CM流せ!」といってCMで時間を稼ぎますが。
そのCM中のやりとりがやけに長いのです。

見てる方は「どれくらいCM流すんだよ!」と思ってしまい、
そういった部分では、リアル性が無くなり
見ている方の興奮も半減してしまいます。

このように、
リアル感の半減や笑える部分の少なさ、
といった要素があるため、評価としてはやや低くなってしまいました。

舞台作品らしい設定

もとは舞台作品と言うことで、
シーンの切り替えが少ないことを前提に作られている作品と感じました。
基本的には収録スタジオ内という狭い設定で完結する物語です。

スタジオ外のシーンは無くても、なんとかなる感じです。

実際に舞台版を見ていないので、どういう演出だったかは知りませんが、
例えば、元効果音係の守衛さんとのやり取りも

「守衛室に行ってきます!」といって舞台から消え
「教えてもらってきました」と戻ってくることも可能ですね。

逆に、映画だから出来ることも取り入れられています。

渡辺謙演じるトラック運転手のカットが挟まれる部分。
これは、舞台では不可能。

ところどころ、この謎のシーンが挟まれることで、
この人は誰だろう?あとでどう繋がるんだろう?
という1つの謎が見ているものの頭に浮かびます。

ただ、残念だったのは、
この運転手が特にストーリーに関係なかったところ。
ドラマの話に絡むのかなと思ったけど、何もなかった。

もともと舞台版にはなかった設定らしいので、
仕方がないと言えば仕方がないけど
映画用に登場人物を増やすなら、
メインのストーリーに絡ませないと、とってつけたようになってしまうと思います。

注目ポイントはここ

業界人の特色をよくとらえていて、面白いと思いました。

番台さんも元エンタメ業界でしたので、
「こういう人いるよね!」と思える部分は多くありました。

まずは、布施明演じる編成部長。
昔はやり手だったんだろうけど、今は管理職について
熱意もなく仕事をこなす人。関係者の間に入っての調整は上手い。

この人の描写で一番「らしい」感じがしたのは、
二次会のビンゴ大会で当たった、キーボードを持ってるところ。

こういう小道具が業界人っぽさの信憑性を増します。

それから、アシスタントAD役の梶原善。
こういう暗い目をして、黙々と仕事を続けるアシスタントっているんですよね!
「いるいる!」と思ったもん(笑)。

これはいいキャスティングだな〜。

一方で、普通の人の描写がイマイチ。

とくに鈴木京香演じる主婦の描写がいまひとつでした。
彼女の良さがあまり出ていなかったし、
この「鈴木みやこ」という人物の背景が見えてこなかった。

これが残念。

演技で光っていたのは、やはり唐沢寿明かな。
「嫌な奴だけど熱い奴」。上手く演じていたと思います。

この作品のいいところは、役者の演技力が一定のレベルにあるところ。

後の三谷作品には、
知名度はあるけど、演技力はいまいちという人が多く出るようになり、
見ていてその下手さが気になるのですが、この作品ではありません。

いいなと思った役者さんは、
ベテラン女優役の戸田恵子、
アナウンサー役の並樹史朗、
そして、ディレクター役の唐沢寿明。

伊丹十三へのオマージュ??

カメオ出演で、伊丹十三監督の妻で女優の宮本信子が出ている、
そして、「トラック運転手」という役で渡辺謙。
しかもテンガロンハット!

これは、伊丹監督へのオマージュなのだろうか??

結論

大笑いは出来ないけど、
ウィットやユーモアといった笑いが好きな人にはお勧め。
厳しいチェックはしましたが、
初監督作品としてはまあまあ良くできていると思う。

評価(★5つで満点)
★★★(ほぼ3.5くらい)

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