【レビュー】THE 有頂天ホテルは役者の演技が気になる(ネタバレ)
「ステキな金縛り」のレンタル開始記念。
三谷幸喜作品復習月間です。
「ラヂオの時間」に続き、
今回は、「THE 有頂天ホテル」です。
「みんなのいえ」は
レンタル在庫がなかったので飛ばします
「THE 有頂天ホテル」は三谷監督の3作品目
(C) 2005 FUJITELEVISION / TOHO
いらっしゃいませ、
都内に住んでいながら、都内のいいホテルに泊まりに行く、
ホテルが大好きな番台さんです。
なので「ホテル」に関してはうるさいですよ(笑)。
「THE 有頂天ホテル」は三谷監督の3作品目。
脚本も三谷幸喜が務めています。
複数の登場人物の物語が絡み合う、群像劇になっています。
評価(★5つで満点)
★★★
ネ
タ
バ
レ
で
す
よ
ストーリー概要
場所は高級ホテル「ホテル・アバンティ」。
大晦日のカウントダウンパーティーを数時間後に控えた慌ただしい中、
ホテルマン、ゲスト、政治家、などが、
トラブルに遭いながらも、
それぞれの人生の悩みや問題について向き合っていく物語。
役所広司演じる「新堂平吉」は
スタッフから信頼の厚いホテル副支配人。
客として訪れた元妻と偶然出会うが、
なぜか、自分がホテルマンではないそぶりを見せる。
松たか子演じる客室係「竹本ハナ」は
清掃している部屋で、大富豪の愛人と勘違いされ、
そのまま、愛人のふりをし続ける。
香取慎吾演じるベルボーイ「只野憲二」は、
ミュージシャンになる夢を諦める。
田舎へ帰るため、ホテルのバイトを辞めるが、
またホテルを手伝うはめに。
佐藤浩市演じる政治家「武藤田勝利」は
汚職に関わり、マスコミの目を逃れるためホテルに隠れている。
「竹本ハナ」は元愛人。
この4人の物語を中心に映画は進みます。
多くの有名俳優が共演し、
高級ホテルという舞台にふさわしいキャスティングになっています。
登場人物が多く、散漫な印象で達成感がない
この映画の宣伝コピーが「23人の主役」。
登場人物がとても多いのが特徴です。
群像劇なので、様々な物語が必要なのはわかりますが、
散漫な印象はぬぐえません。
最後に物語が収束するはずの「カウントダウンパーティ」が
とても安っぽく、薄い内容なので、到達感がないのです。
それぞれの物語が、このパーティに絡んで繋がれば、
見事に達成感を感じられたと思います。
唯一、パーティに繋がる物語は、
YOU演じるシンガーの物語だけでした。
そのせいで、到達点がハッキリせず、散漫な印象となりました。
役者は「演技」が出来る人だけにして欲しい
多くの役者さんが出るので、
その演技力の差が気になってしまいます。
役所広司、戸田恵子、生瀬勝久、佐藤浩市
原田美枝子、角野卓造、西田敏行、
といった面々は
さすが、安心してみていられます。
それぞれを、その登場人物として見ることが出来ます。
しかし、松たか子、香取慎吾、篠原涼子、オダギリジョーといった面々は、
何を演じていても、
「松たか子が喋っている」「香取慎吾が喋っている」
としか見えないのです。
そこには、
「竹本ハナ」「只野憲二」「ヨーコ」「右近」という人物がいないのです。
日常的に、テレビで彼ら俳優の素の姿を見る機会が多いせいもあると思いますが、
演技力にも問題があると思います。
映画を見てると、こういうのがとても気になり、
映画のクオリティを下げてしまう要因となります。
いろいろと芸能界の事情もあるでしょうが、
キャスティングについては、失敗だったと思います。
三谷監督は、清水ミチコとのラジオ番組で、
「自分の考えてる演出を
頭ですぐに分かってくれる俳優さんを選ぶ」
というような内容のコメントを言っていました。
その時、香取慎吾の名前を挙げており、
彼が三谷作品に多く登場する理由もそこにあるのでしょう。
演出がやりやすいのは重要だと思いますが、
見てる方としては、役柄の人物が喋っている感じがせず、
タレントがコスプレして喋っているようにしか見えないので
その点は改善して欲しいなと思います。
注目ポイントはここ
良かったなと思う女優さんがいました。
「竹本ハナ」と一緒に働く客室係
「野間睦子」役の堀内敬子。
舞台っぽい演技ではありますが、
恋愛したらめんどくさそうな女子を見事に演じていました。
「こういう女いるいる!」と感じます(笑)。
画面の中に映る姿は、
堀内敬子ではなく、まさに「野間睦子」という客室係の女性でした。
一方、相手役の川平慈英のオーバーな演技は
とてもミュージカル風で笑いました。
あれは、わざとああいう演出なのでしょうか??
彼らが最初に登場する、
送別会の場面での演技がとくにそう感じます。
結論
物語が散漫になり、だれる場面もありますが、
それぞれの物語の絡め方には、苦労や工夫を感じ、まあまあ楽しめます。
コメディではあるけど、
「自分の好きなことをやろう」的な、ちょっと熱いメッセージも含まれています。
どちらかというと、笑わせるよりは、
「ジーン」とさせたい感じが強く出ていて、
大きく笑える映画ではありません。
笑いたい人にはお薦めできません。
かといって、泣けるような話でもありませんので、
ストーリーの設定が複雑な割には、中途半端な作品。
評価(★5つで満点)
★★★
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